vol34号 1999夏臨時増刊号

1999年8月11日の皆既日食特集号からの抜粋です

=== 目次 ===

 1.『1999年ドイツ日食日記
 2.『参加者の機材の紹介,成果,感想』
   『カールスルーエの宝石』
 3.『プラネタリウム見てある記』(下記参照)
 4.『カールツアイスの街イエナ光学博物館を尋ねて』
 5.『光学製品の買い出し』
 6.『ドイツからの画像送信』
 7.『日食ライブ』
 8.『オジサンの飲んべぇツアーinドイツ』
 9.『ツアー中の出来事,こだわりのお店』
10.『空の科学館での取り上げ方』
11.その他
   『珍道中記』
   『ツアーに参加して』
   『99年7の月』
   『ドイツ日食ツアーに参加して』
   『この夏一番?ドイツホームステイ・皆既日食ツアー』
   『知多理科同好会海外旅行記』
   『アイルランドで発見した“Eclipse?”』
   『ドイツ・人情日食旅行・徒然日誌』
   『ドイツ日食行きたかったな〜』

3.プラネタリウム見てある記

 今回の旅行では、プラネタリウムとドイツ博物館を見学しました。
 私の担当するこのページでは、これらのことについて報告します。

イエナのプラネタリウム Zeiss-Planetariumu

 このプラネタリウムは、1926年の建造物で、使用されているプラネタリウムドームとしては、世界最古のものだそうです。現在アーネスト・アッベ財団によって運営されています。月曜日休館で最新式のプラネタリウム機械(カール・ツァイス・イエナ製)で、一般教養・こども用・レーザーショーの3種類の番組をおおよそ1時間ごとに毎日5回上映しているそうです。
 今回のプログラム(1999.7月〜10月)を見ると一般教養では8番組・こども用では4番組・レーザーショーでは5番組を交互に上映しています。
 私たちの見た番組は、一般教養の番組でGefahr aus dem All(宇宙からの危機)という新番組のようです。内容は、パンフレットによると、太陽系の惑星たちに彗星や小惑星・隕石などが衝突する可能性を説明し、宇宙の神秘を物語るものだそうです。
 11時直前、ドームに入ると中央には丸いプラネタリウム機械が鎮座し南側には小さいステージもあるドームです。撮影は禁止のようですが何人かフラッシュをたいていました。堂々とビデオ撮影している人もいましたね。
 さて、番組が始まると太陽が北から西に沈み星座も星座絵と違うものが出てくるというハプニングがおきました。少しして、番組を止め調整し直してから再開するとのこと、でも結局、星の動きはとんでもない動きをしていました。時間がないので適当にやってしまうとのアナウンスがあったとガイドの中山さんが伝えてくれました。
 ただ(言葉がわからないので詳しくわかりませんでしたが)、内容的にはかなり高度な内容を伝えている様子で、日食に関する説明も一部ありましたが、目の保護については、かなり深く説明していました。安全教育については徹底しているのかも知れません(自己責任能力の育成にはこのような情報の周知が必要なのでしょう)
 トラブルもあったので45分の番組が約1時間かかってしまいました。途中で睡魔におそわれ熟睡してしまった人もいたようですが、私も10分ほど寝たような気がします。

ドイツ博物館(ミュンヘン)のプラネタリウム

 このプラネタリウムも毎日4回(10・12・14・16時)上映しています。機械は やはりカール・ツァイス製でコンピュータ制御のものだそうです。ただドームの内側のスクリーンはところどころ、しわやふくらみがありました。ここの番組はプログラムがないのでよくわかりませんが太陽系と地球の誕生から成長を解説したもののようでした。かなり専門的なようでしたし、データなども取り入れた番組でした。言葉の理解ができないのは非常に残念なことで、今度来るときには、ドイツ語がわかるようになってくるぞ?などと少しだけ思いましたが、1分後にはあきらめました。
どちらのプラネタリウムも星像がシャープで大変見やすかったことが印象に残っています。また、北緯50度あたりの星の移動は私たちが見ているものとかなり感じが違っていま
す。さそり座などは心臓から上しか見ることができないのですから。

ドイツ博物館観測ドーム

 ドイツ博物館には、2つの観測ドームがあります。西ドームはカール・ツァイス・イエナ製の30cm屈折望遠鏡で毎日10時半から11時半まで公開しています。東ドームはゲルツ製の40cm反射望遠鏡で10月から3月まで土曜日の夜20時から21時まで観望に利用しているそうです。
 私たちは、西ドームの望遠鏡を見学しましたが、前日の日食もここで観望できたそうです。天気もミュンヘンの南側にあるので悪くならず、皆既も見えたとのことでした。
 減光プリズムをつけた長焦点の望遠鏡は長身の大砲のようでしたが、太陽はきれいに見ることができ、黒点もはっきりしていました。
 望遠鏡の周りの傾斜スロープは、回転することができ、望遠鏡を覗く人にあわせ高さが調節できるのが優れものだと思いました。



ドイツ博物館はあまりにも広く2時間くらいではとても一部しか見学できません。わたしは天文学コーナー(といっても2階分ありますが)を見ないで航空機・印刷コーナーなどを見学しましたが、世界最古のプラネタリウム機械(1923 年製)だけはみてきました。思いのほか小さいことと、レンズの集まりのおばけのような形には驚きました。各コーナーにある展示物は、ほとんど本物で、戦闘機のメッサー・シュミットの前などでは、多くの人が写真を撮っていました。




 私達は、午前9時の開館と同時に入館したのであまり混雑にはあいませんでしたが、館を出た11時半頃には、入場券を購入する人の列が4重・5重となって 大変な混雑ぶりでした。それでも、日本人の旅行客は、見かけることができませんでした。ガイドの佐々木さんの話では、大きな博物館なので、日本人のように短時間の見学がむつかしく、ツアーなどではほとんどプランに入らない所なのだそうです。佐々木さん自身も、ドイツ博物館のガイドの経験がないので、前日確認に来たとのことでした。
 できれば、一日くらいかけて見学するとおもしろいところだと思います。

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