vol37号 2000夏号

2000年6月18日発行の夏号からの抜粋です

=== 目次 ===

・くじら座μ星接食観測 南側担当編

・初めての接食経験

・リニア彗星(C/1999S4)について

・光害調査れぽーと by “鵜の池”

・CQCQこちらはJG2ZECふくろう無線クラブです

・これから見られる皆既日食の紹介

・【ちょっぴり科学】連載始る!

・平成12年度役員紹介

これから見られる皆既日食の紹介

昨年の8月はヨーロッパ日食で盛上がりました。日食だけでなく、飲む・食う・買うと3拍子そろったみなさんたちのおかげでずいぶん楽しむことができました。『次の日食はいつ?』という人もいると思いますので、これから見られる皆既日食を簡単に紹介しておきましょう。

 20001年6月21日(木)南大西洋・アフリカ皆既日食

アフリカで皆既日食になります。皆既帯はアンゴラ,ザンビア,ジンバブエ,モザンビーク,マダガスカルと抜けていきます。皆既時間が一番長いのがアンゴラ西部で4分40秒、短いのがマダガスカルで2分30秒です。乾季のアフリカ,そこそこの皆既時間という点で魅力のある日食ですが渡航時間や治安の面を考えるとちょっと考えてしまいます。販売店の日食ツアーの記事を見ても『皆既帯の中で一番治安のいい…』と書かれていますので勇気とお金のある方は是非見に行ってください。(個人的には軍隊に守られて日食観測というのは遠慮したいです)

   



2002年12月4日(水)アフリカ南部・オーストラリア皆既日食

アフリカからオーストラリアにかけて皆既帯が通る日食ですが非常に条件が悪いです。アフリカ側で一番長くて皆既時間が1分30秒、オーストラリアでは日没直前に30秒の皆既と貴重なお金と時間を使ってまで行く必要はないと思います。ただ、オーストラリアに関しては、新月ですので南天の星空を見に行ったついでに日食まで見てしまおうという割切りができるのならおすすめでしょう(暖かいですし)。


2006年3月29日(水)アフリカ・中央アジア皆既日食

個人的に次はこれかなと勝手に決めている皆既日食です。皆既帯はアフリカから中央アジアを抜けており、比較的治安のいい国や渡航手段に問題のない国がありますのでおすすめかと思います。皆既時間も長いところで4分10秒、候補地のトルコで3分40秒となっています。どうなるのか予想はつきませんがふくろうの会の一部のメンバーでは現会長が幹事でトルコに行こうという計画もでています。  

ただ、皆既日食の日が水曜日というのが最悪で、どんな日程を組んでもまるまる1週間会社を休まなくてはなりません。これが日曜日に日食がありますといえば、3日ぐらい休むだけで何とかなるのですが…。休みさえなんとかなれば時期が時期ですので旅費も安く(8月のドイツに比べれば)行けますので、希望される人は早めに日食積立てを始めましょう。観光をいれなければ4泊6日で、どうせ仕事を休むから欲張っちゃおというのなら6泊8日のツアーになると思われます。





   


2008年8月1日(木)グリーンランド・ロシア・中国皆既日食

カナダ北部から北極を通り、ロシア,中国に抜けて皆既帯の通る皆既日食です。皆既時間が長いところで2分20秒台,中国あたりでは1分30秒台と魅力に欠ける日食です。観測時間と皆既継続時間を考えるとロシア北部が候補地で皆既が14時頃に2分20秒ほど観測できます。諸条件を考慮すると1年後の日食を期待した方がよさそうです。

 

 

 

 

 

   

2009年7月22日(水)東南アジア・トカラ列島皆既日食

ふくろうの会にとっては本命中の本命となる皆既日食でしょう。皆既帯はインドから中国を抜け日本のトカラ列島から太平洋に抜けています。皆既継続時間もインド中央部で3分30秒台,中国で4分30秒台〜5分50秒台,すでに観測候補地に指定されている上海でも5分25秒,日本のトカラ列島悪石島のいたっては6分23秒の皆既継続時間です。『中心帯でなくてもいいぞ!』なんていってしまえば、屋久島南部で4分20秒台,種子島南部で2分40秒台,奄美大島北部では3分10秒台と無理に海外へ出かけなくてもそこそこの条件で観測可能です。ただ、ご存じのとおり屋久島は日本一の降水量,中国上海では雨期のため晴れる確率20%以下(昨年のドイツで30〜50%といわれてました)ですので、天候の面では少々難ありという感じがします。比較的近場ですので、ちょっと仕事を休んでリフレッシュに来たつもりで出かけた方が無難なようです。逆に太平洋上も皆既帯が走っていますので船上観測という手も残されていますが。この日食はTさんが中国上海コースの幹事に名乗をあげていますので、ツアーを企画することは間違いないでしょう。ツアーでなくて、バラバラに上海,トカラ列島,屋久島,奄美大島などに分れるとふくろうの会としては見える確率が上がるということもあります。どっちにしても見てみたいと思う人は日食積立てをしておきましょう!詳しくは5年後くらいの例会で発表があるでしょう。

 今回皆既日食に限って紹介しましたが、この中で比較的おすすめできるのが2006年のトルコと2009年の上海,トカラ列島日食だと思われます。ツアーを組むにしても15名の参加者さえ集れば、トルコ日食で25〜30万円,上海,トカラで10〜20万円以内ぐらいに収りそうです。ふくろうの会員同士であっても普段なら数時間のつき合い,合宿等に参加しても2〜3日間のつき合いですが、日食観測に同行すれば最低でも6日,へたをすれば8日間ほど行動をともにするわけですので、『この人て、こんなに飲むの!&食べるの!』等々普段ではわからなかったこと感じなかったことに出会えます。日食を見るだけのツアーではなく、日食ツアーに参加したことで会員同士の親睦がより深まることを目的にしたいですね。とはいってもやっぱり、

コロナは見たいぞ  


※皆既帯の図は「アストロアーツ社」の「エクリプスナビゲータ」で作成しました

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