Vol4 3号 2002秋・冬号

2003年1月発行の秋・冬号です

=== 目次 ===

再び土星食

・おそるべしデジカメ!

・最後の乗鞍

・ヒノサワさんちのアストロカメラ 組立てレポート

再び土星食

 2001年10月の土星食は石川さん,杉本さんと能登半島まで遠征して「見事撮影成功!」という成果。2002年1月の土星食は石川さんと阿久比町内で陣取ったが「きわどいところで曇天!」に泣かされた。そして3回目の2002年3月の土星食は、石川さん,小林さんと岐阜県恵那郡坂内町まで遠征して快晴の元で撮影することができた。
 今回の土星食も、「どこで撮影するのか」で悩んでしまった。接食ポイントになるのが北陸や岐阜県,長野県という積雪地帯を通過しているからである。今回は19時台の現象のため、あまり遠くには出かけたくないし積雪があっては困ると言う理由である。石川さんとも相談した結果、候補地として
 @飯田の博物館駐車場
 A乗鞍遠征時にいつも寄っている「木の国賎母」というドライブイン前
 B中央道の駒ヶ根SA
に絞り込んだ。ステラナビゲータを使い上記場所でシミュレーションした結果、@とBは土星の隠れ具合から除外された。というのは2001年10月のときに土星が完全隠れるポイントで撮影したため、今回は土星本体が半分ほど隠れる状態を撮影したかったからである。仮の決定地として「ドライブイン賎母周辺のどこかで」とし、最終的には現地を徘徊して決めることにした。杉本さんが家庭の都合で急遽キャンセルになりましたが、あの小林さんが逆に参加することになり、不安を感じる石川さんと私でした。
 土星食当日、午前中は見事な快晴!半日有給をとっていた3名は集合場所の中央道「虎渓山PA」へ向けて会社を出発。石川さんとはほぼ同時に虎渓山PAに到着。私が昼食をとっている間に小林さんが到着した。3人そろったところで再度観測予定地の再検討を始める。前日に賎母付近の詳細地図を手に入れ賎母の少し手前の坂下町に道の駅があるのを発見していたためその話をし、そこへいってみることになった。中央道を中津川ICで出て、国道19号線を北上する。ナビで確認しながら、目的の道の駅へ向かい無事到着。その道の駅は国道19号線から横を流れている川の反対側にあり、19号線を走る車の影響は受けず、広い駐車場,トイレ,自販機と観測するにはもってこいの場所だった。運のいいことに、そこのレストランが定休日であったためよけいな照明が消えているのも幸いだった。駐車場の南西の角で観測することにして、先に夕食をとるためドライブイン賎母へ向かった。今回は観測終了後にすぐ帰宅するためアルコール類は御法度というふくろうの会始まって以来の珍事もおきた。夕食後駐車場に戻り機材のセッティングを始める。
 観測場所がいつもと違うことと薄明がなかなか終わらないため極軸のセッティングに手間取るが、潜入開始予定時刻の10分ほど前にはすべての準備が完了。空は相変わらず快晴が続く。双眼鏡で西の空を見ると池谷・張彗星も見えている。ステナビによるシミュレーション画面を見ながらそろそろ潜入することを告げる。今回は隠れる土星が面積体で暗潜入のために潜入の瞬間がわかりにくいので、少々早めに撮影を開始する。19時45分少し過ぎには画面上でも土星が隠れているのが確認できました。月の見えていない部分に潜入していくため見ていて不思議な光景ですし、月面の微妙な凹凸で土星が見えたり隠れたりしますので結構面白い現象でした。ビデオ担当の私は録画ボタンを押した後は何もすることがなく、他の2人は1,2分おきに撮影しているためとても忙しそうでした。そのため話し相手にもなってもらえず、約15分間の寂しい時間を耐えることになってしまいました。20時過ぎ、土星と月面が完全に離れたのを確認し撮影は終了です。撮影機材を車にしまい込み、トイレを済ませ、自販機で缶コーヒー(缶ビールじゃないところが偉い!)を買ってきて撮影成功の乾杯で今回の遠征は終了です。

昨年から今年にかけて条件のいい惑星食が4回ありました。通算勝率5割とまあまあの成果が得られましたが、木星食がダメだったのが悔しい!

 

2001/8 木星食

2001/10 土星食

2002/1 土星食

2002/3 土星食

結果

曇天で×

バッチシ

曇天で×

バッチシ

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